斜面がよく視えるかどうかは、気持ちよくスノボができるかどうかに影響が大きいです。
ゴーグルが曇った状態ですと、見えない状態で滑っていてもあまり楽しくないという事も多いですし、何も見えなくなって滑っている時に怖さも出てきますし、斜面が見えていない状態だとふいにこける事も多くなって危なさなんかもあります。
ですので、できるだけゴーグルの曇りを抑えた状態で滑る方が気持ちよくスノボができます。
ゴーグルが曇らない様にするには大きく分けると2つのパターンがあります。
- 内部と外部の温度差を抑える方法
- レンズ自体に水滴がつかない様にする方法
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温度差を抑えて曇らない様にする方法
温度差を抑えてゴーグルが曇らない様にする方法は色々あると思いますが、私の場合は、以下の様にしています。
- 手の甲で顔の表面の熱をとってからつける
- フェイスマスク使用時には鼻の上の生地を外側に折り曲げる
- ダブルレンズのゴーグルを使用する
手の甲で顔の表面の熱をとってからつける
ゴーグルは温度差によって曇り始めるので、ゴーグル内部と外部の「温度差」をなく様に付けると、曇りを抑える事ができます。(どうしてゴーグルは曇るのか?)
滑り始める前や休憩終わりなどは、ご飯を食べて温かい所にいたので体温が上がり、顔の温度も上がっています。
その状態のまま、食事処などの温かい所でゴーグルをつけると、ゲレンデの気温(ゴーグル外側)と顔の温度(ゴーグル内側)の差が大きくなってしまうので、曇りやすくなります。
ですので、私の場合は、一旦外に出てから手の甲で顔表面の熱を取るようにしています。
手の内側は温かい事が多いので、手の甲にしています。
外に出るだけでも、表面の温度が下がるのですが、早く温度を下げたいので、手の甲で熱を取るようにしています。
また、外に出るとゴーグル自体の温度も下がりますので、温度の差がより抑えられます。
ゴーグルをつける前に外に出る時の注意点
ゴーグルが曇ってしまうのは雪が降っている時が多いので、外に出て顔の表面の温度を少し下げる時にゴーグル内部に雪が入らない様にして下さい。
内部に雪が入っている状態でゴーグルを付けると、滑っている内に顔の熱で雪が溶けて、ゴーグル内部の湿度が高くなってしまい、余計に曇りやすくなります。
中に入っている雪が顔の熱で溶けて水になり、その水の一部分がゴーグル内部で水蒸気になり、滑っている内に内部の温度が下がりその水蒸気がまた水滴となってゴーグルレンズに付着する=ゴーグルが曇る、という感じになってしまいます。
内部の換気(ゴーグルの上部分にあるスポンジなどから空気が出て行きます。)が間に合わないと、その水蒸気がまたゴーグルのレンズ表面につきますので、雪が入らない様に気をつけて下さい。
フェイスマスク使用時には鼻の上の生地を外側に折り曲げる
フェイスマスク使用時には、鼻からの空気がゴーグル内部に入らない様につけると曇らない様にできます。
フェイスマスクをつける時には、通常はゴーグル下側で生地を挟んでズレ無い様にすると思うのですが、この方法ですと、フェイスマスクの種類によっては鼻から出た体内の温かい空気がゴーグル内部にめちゃめちゃ入ってきてしまいます。
そうすると、温かい空気に含んでいる水蒸気がレンズ付近で冷やされて、気体(水蒸気)でいられなくなりレンズに水滴として付着します。
ですので、フェイスマスクをつける時には、鼻から出る温かい空気がゴーグルに入らない様に着けて下さい。
『どうしてゴーグルが曇るのか?』でも書きましたが、「温かい空気が入る≒水分が入る」という感じなので、鼻からの温かい空気を内部に入れない様にします。
そのために私の場合は、フェイスマスクの鼻の部分の生地を外側に折り曲げて(ゴーグル下側に挟まない様にして)、ゴーグルをつける様にしています。
鼻が出ていると滑っている時に冷たい様に感じるかもしれませんが、ゴーグルの厚み(高さ)と挟んでいない部分のフェイスマスクの生地が鼻の上に若干被さるような形になりますので、風は冷たいのですが、直接雪が当たって痛いという事はありません。
ズレが気になる場合には、耳かけゴムがあるフェイスマスクを使用したり(ゴムがしっかり伸びるものが使いやすいです。)、後ろでマジックテープでとめる時にゴーグルのバンドに生地を挟んだりするとズレない様にできます。(ゴーグルで挟む時に、ちょっと大変な事もあります。)
(関連記事:私がフェイスマスクを購入する時に確認する外せないポイント3つ)
ダブルレンズのゴーグルを使用する
ダブルレンズと言って、レンズが二枚あるゴーグルが販売されているのですが、二枚あると「温度差」を抑えやすいので、一枚の物よりは曇りにくくなります。
内側のレンズは、空気に直接触れないので、「ゴーグル内部のレンズ付近の温度」と「内側のレンズの外側の温度(レンズとレンズの間)」の差を小さくできるのです。
そうすると、温度差が小さいので水滴が出てきにくくなります。
最近のゴーグルである程度の品質の物はほとんどがダブルレンズになってきているのですが、違う場合もありますので、これからゴーグルを購入するという場合には確認して下さい。(スノーボードのゴーグルの選び方を知れば納得のいくものが買える!)
レンズに水滴が付きにくい様に工夫して曇りを抑える
上にあげた三つ(手の甲、フェイスマスク鼻部分、ダブルレンズ)は“温度差”を抑えてゴーグルの曇りを抑えるという方法です。
ゴーグルの曇りを抑えるには、その他に、『レンズ自体に結露がつきにくい工夫をする』という方法もあります。
温度差とレンズ自体への工夫は、どちらか一方だけやるというわけではなく、両方を一緒にやってより曇りを抑えます。
といっても、レンズ自体への工夫はこちら側でやれる事はあまりないのですが。
水滴がつかない様にする方法は以下の様な事があります。
- 防水スプレーや防水ジェルを使う
- レンズ内側に特殊な加工がされているレンズのゴーグルにする
防水スプレーや防水ジェルを使う
防水スプレーだったり防水ジェルというのが販売されています。
値段は大体1000~2000円くらいです。
ただ、最近のゴーグルはレンズ内側に曇り止め加工(コーティング)がされていて、防水スプレーやジェルを使用すると、それが落ちてしまいますので注意して下さい。
※曇り止め加工:親水性の物が塗られていてそれがゴーグル内部の水分を吸収して曇らない様になっています。
(親水性=水によく溶ける≒水を吸収する=水滴が出て来ない→曇りにくい、です。)
スプレーやジェルを使用するのは、長い間使用しているゴーグルで完全にコーティングが落ちてしまった物などに限定しておく方が無難だと思います。
特殊な加工がされているレンズのゴーグルにする
上記に書いた様な曇り止め加工がされているゴーグルなどを使用する事でも、ゴーグルの曇りを抑える事ができますし、コーティング以外にも、内側に小さい丸いシールが貼られているゴーグルなんかも曇りを抑える加工がされているゴーグル※です。
※再追記:申し訳ありません。私が勘違いしていたのですが、調べた所、このシールはゴーグルの内部に水が入るのを防ぐ目的のシールでこのシール自体には曇りを抑える効果はないようです。ゴーグルには曇りを抑える性能があります。誤解してしまう事を記載して申し訳ありません。
私のゴーグルには貼られていないので、このシールについては参考程度に聞いてもらいたいのですが、シールが貼ってあるゴーグルを使っている人が私の周りにいるのですが、使っている人が「曇った」と言っているのをあんまり聞いた事がないので効果がある※んだと思います。
※再追記:上述しましたが、使っている人が「曇った」と言っているのはあまり聞いた事がありませんが、それはシールの効果ではなく、後述する山本光学株式会社さんのゴーグル自体の性能による物だと思います。
シールの名前が分からなかったので調べてみたのですが、「A.P.A.フィルター」と言うみたいです。
DICE(FAQページ)より引用(中盤くらいに記載されています。)
ダブルレンズのスノーゴーグルのレンズ内側に貼られているシール(A.P.A.フィルター)につきましては、レンズ内側の気圧調整のための穴から、レンズ内部に水滴が入らないように開発された特殊なエアフィルターですので、レンズから剥がしてしまいますと水滴がレンズ内部に浸入する可能性がございます。
A.P.A.フィルターにつきましては、1枚¥315(税込価格)で、取扱店を通じ、弊社で販売いたしております。
※DICE(ダイス)はスノーゴーグルのブランドです(山本光学株式会社さん)。
山本光学株式会社さんにはSWANS(スワンズ)やFATFIVE (ファットファイブ)というブランドなどもあります。
貼るだけで良いんだったら、自分のゴーグルにも使えそうなので、今度購入して貼ってみようかなと思いました。(※)
※追記:貼ってみようかなと思いましたが、A.P.A.フィルターが貼ってあるゴーグルを使用している人に説明書を見せてもらった所、レンズに開いている穴を塞ぐ様につけるみたいなので、最初からフィルターが使用されているゴーグル(小さい穴が開いているゴーグル)でないと意味がない※みたいです。
※再追記:曇りを抑えるために貼るシールではなく、レンズ内部への水の侵入を防ぐために貼るシールの様です。
右の画像は、説明書に掲載されていたA.P.A.フィルターの図の写真です。(見せてもらったSWANSの説明書より引用させて戴きました。)
上記の「DICEのFAQページ」は、ゴーグルのメンテナンスなど(クリーニング等)についても説明書きがありますので、ゴーグルの曇りを抑えたい時には参考になります。
上記に記載した方法以外にもゴーグルが曇らない方法は色々とあると思いますので、“温度差”と“レンズ自体への工夫”の二つの面から色々試してみると、曇りが抑えられるし、ゴーグルに愛着も出てきたりするので、スノボが楽しみやすくなると思います。
色々やってみたけど、ゴーグルが曇ってしまったという場合には、水滴やスポンジ上の雪をしっかり取り除いてから付ける様にすると、すぐにまた曇ってしまうのを防ぐ事ができます。